
ダイワの最高峰ティップランロッドエメラルダスEX BOATシリーズの中でも特異なティップの交換で2種類の硬さに変えることのできる70MLS-SMT/68LS-SMTを購入しましたのでレビューします。
使っていく中でティップラン以外にも様々な釣りで流用できることが分かったのでそこも踏まえて紹介します。
- ティップランロッドを探されている方
- エメラルダスEXに興味がある方
- すでに持たれている方で他の釣りにも使用したい方
それでは興味がある方は下記をご覧ください。
エメラルダスEX BOATって?

ボートエギング、ティップランエギングと呼ばれる船の上からアオリイカを狙う釣りになります。
その中でもボートエギングに必要な性能が高次元で融合したフラッグシップボートエギングロッドがエメラルダスEX BOATとなります。
フラグシップモデルということでダイワの技術がこれでもかと言われるくらい投入されています。
ロッドのひずみを数値として明確にすることで設計に反映する『ESS』
軽量・高感度・高剛性を誇るガイドシステム『AGS』、唯一無二の高感度穂先である『SMT』
センターカット2PCながらまるで1ピースを実現する Vジョイントαや感度と軽量性を研ぎ澄ます SVFナノプラス、大型アオリイカとも真っ向勝負可能なパワー X45フルシールド、リールシートにはエアセンサーシートスリムフィットを採用しています。
二つのティップって?
ダブルティップ仕様によるさまざまな対応ができるオールラウンドモデルになります。
特徴は何といっても購入時から70ML、68Lのティップが付属しており、あらゆるシチュエーションに細かく合わせることができる対応力が強みです。
70MLのティップは、ディープエリアで重たいエギをしっかりアクションさせることができるとともに、春先のシャローでのキャスティングまで幅広く対応する。
一方で、Lクラスの繊細なティップの68L使用時は、流れの緩いタイミングで軽めのエギを漂わせ、わずかなアタリを拾うような釣りが得意です。
ただし、バットは同じものですのでバットパワーは変わりません。
ティップが上記硬さと認識しておく方がいいのかな?と思います。
オールシーズン、これ一本で幅広いゲームを可能にするフラグシップロッドです。
その代わりティップ2本となるので価格が他のモデルに比べ高くなってしまうのが欠点ですが…。
なぜこのモデルを購入した?

元々欲しかったのは72MS-SMTになります。
テップランエギングをしてみたかったことやそれ以外にもイカメタル・オモリグなどの釣りに流用できないかなと考えキャスティングメインのロッドの購入を検討していました。
購入したきっかけとしては、たまたま通販ショップで上記モデルより安い価格で新品が投げ売りされているのを見つけ購入を決めました。
その結果上記で記載した用途以外にも様々な釣りで使えそうだな?ということもあり色々な釣りに使用してみました。
レビュー

2本のティップにはどのような特徴があるのかというと硬さが違うだけでなく用途に合わせた調整がされています。
70MLのティップはキャストできるように剥き出しで張りのあるSMTが搭載されています。
剥き出しにすることでSMT本来の曲がりの良さ、目感度が分かりやすくなるようにセッティングされています。
68Lはしなやかなティップの作りになっています。
テップランで扱うライトな部類のエギ3号以下、25g程度が滑らかに扱えるような作りです。
しなやかで鋭角に曲がる為、獲物に違和感を与えにくく小さな当りも明確に捉えることができます。
ティップ部の硬さは違いますが、バット部分は共通の硬さとなるのでどちらかのティップはベントカーブに多少なり違和感を感じるのかな?と思っていましたが、きれいな曲がりを確認できた時にはさすがフラグシップモデルと驚きました。
ただし、ティップの繋ぎは片方が固く少し入れづらいです。
不具合があり一度新品交換になっていますが、最初のロッドは70MLが固く入りづらかったのですが、交換品では68Lが固く入りづらくなっています。
全く入らないわけではないのですが、無理に差して破損させないようにしないとなー。と気にはしています。
また、別売りでいいのでティップ用のハードケースを発売して欲しいですね。
ティップ側は細いので遊漁船に持ち込んでも適当な場所には置けないな。という気持ちです。
船での使い分けも視野に入っているならぜひとも専用のハードケースを!
バーサタイルロッド!?

私の使用してみた感覚では、メインのティップランだけでなく、イカメタル・オモリグ、一つテンヤ、SLJ、ショアからのエギング、ライトロックショア、ライトゲームに流用できました。
各種釣りにドンピシャというわけではないので妥協点はありますが、ここまで使い分けることができるのは想定していない為、正直びっくりしています。
下記では各釣りでのレビューを紹介したいと思います。
ティップラン・ボートキャスティング

メインの用途として不満な点はありません。
流石値段が高いだけあり、激しくシャクっても穂先の振動はピタッと止まります。
止めてすぐにくる当りもしっかり拾えるので釣果UPにも繋がります。
70MLは手感度・目感度が異常です。
剥き出しのSMTだとこれほど違うのかと感じます。
キャストできるように太くなっているのでどちらかと言えば68Lに比べ感度は落ちるのかと思っていました。
春の大型狙いではまだ使用できていませんが、春イカの繊細な当りでも衝撃的に感じることができるのではないかと期待しています。
BOATキャスティングとして使用した感じでは、3号がキャスト・操作感共に気持ちよく扱えます。
3.5号メイン4号も扱う想定であれば72M-SMTをおすすめします。
私としては、キャスト・ティップラン含めて激しくシャクって止める動作も70MLくらい張りがある方が好きなのでメインとしては70ML、潮が緩やかで浅瀬など重量を軽くしてもいい場合に68Lに差し替えるのがメインの使い方になると思います。
68L自体悪くはないのですが、柔らかさが私個人の好みとはちょっと違うかな?と感じました。
68Lドンピシャの環境で使う機会があればまた違った評価になるのだと思いますが…。
イカメタル・オモリグ

基本的に使用するのは70MLのティップになります。
68Lの方が繊細な当たりが分かりやすいのですが、適正重量から離れてしまうことが多いと思いますので使うタイミングはあまりないかと思います。
地域次第で軽めの鉛・スッテを使用される地域では扱いやすい場面はあるかと思います。
イカメタルとして使用する場合にはスピニングリールの為カウンターがありません。
ラインでしっかり棚を把握しないとイカの棚がぶれてしまい船全体の釣果が下がる可能性がありますのでイカメタルで使用するのであればそこはしっかりしないといけません。
また、MAX重量70gと夕マズメなど集魚灯に集まっていない場合の底攻めなどで、20号を超えるものを使用しないといけない時に、同じようなアクションをしているとロッドが破損する可能性があります。
オモリグに関してもイカメタルに比べ重い鉛を使う傾向にありますのでキャスト含め注意をしないといけないです。
適正重量を超えるものを扱う場合には自己責任でロッド操作しないといけないですね。
当りに関しては専用ロッドに比べると張りが強いですがSMTのおかげでしっかり取れます。
同EXのイカメタルロッドに比べると気付いていない当たりはあったと思いますが、船全体の釣果ではそこまで差はなかったので十分使用できる範囲だと思います。
一つテンヤ

基本的に使用するのは70MLのティップになります。
8~12号のテンヤが快適に操作できました。
当日は潮の流れが速く15号も使用はしましたので瀬戸内周辺の一般的なテンヤの重量は扱えます。
イカの当たりを捉えるロッドなので鯛やキジハタの当たりは目でも手感度でもしっかり取れます。
ただし注意点が複数あります。
バットパワーはイカ用のロッドです。
50mを超える深い水深の場合にフッキングが甘く途中でばれることもありました。
大型魚になればなるだけ刺さりが悪くなる可能性が上がりますのでしっかりフッキングをするだけでなくテンヤの針も鋭さをキープしておく方が無難です。
70cmくらいのサメを釣ることはできています。
70mの底から5分ほどで上げてきたのでドラグ設定、ロッドパワーをしっかり使えば50cmの鯛キジハタでも問題なく釣れるとは思います。
キジハタとしてはMAX40前半を釣り上げていますが、上がってきたら意外と大きいなという気持ちになったくらいなので十分パワーはあります。
また、グリップエンドが短く脇ばさみできません。
リストパワーがないと大型魚と対峙した際に人間がついていけません。
他の乗船者さんに迷惑が掛かってしまうので注意が必要です。
私としてはグリップエンドが短い方が操作性が上がって潮の流れに合わせてロッドを動かしやすかったのでメリットに感じました。
SLJ

使用するジグ重量次第ですが軽いキャストなども考えると70MLのティップがいいかな?と思います。
イサキやサゴシ、ブリ系40cmまでがメインターゲットとなります。
ブリ系40cm前半程度は掛けましたが、多少走らせる程度でしっかり釣り上げることができてます。
遊漁船などメインターゲットがどの程度のサイズなのかによってそもそも使用するのはやめた方がいい場合もあります。
不意な大型が掛かった時にはかなりの時間が掛かってしまいます。
チャーターやSUPフィッシングなどで使用する前提と考えると最高に楽しいロッドだと思います!
エギング

基本的に使用するのは70MLのティップになります。
堤防に集まってきた新子の見えイカ狙いなら68Lで軽く投げて狙う釣りも有りだとは思います。
BOATキャスティングでも使用するロッドなのでショアからのエギングでも問題なく使用できます。
注意点としてはロッドが短く飛距離が落ちてしまうことや、SMTのキャスティングに慣れていない人は慣れるまでは気を付けないといけません。
一般的にはエギングからティップランに移行する人が多いと思いますのでエギングロッドを持っている人が無理にこのロッドでエギングしなくてもいいのかな?と思います。
ライトロックショア

湾内の小型根魚狙いで軽くキャストするなら68L、もう重めの重量でキャストして遠くを狙ったり、潮の流れのあるところで使用したいなら70MLが良いと思います。
個人的には68Lでアンダーキャストなど軽くキャストする程度なら8gまで、70Lで15g程度なら扱えるのかな?と感じました。
ただし想定された釣り方ではありません。
自己責任でお願いします。
ロックショアロッドに比べるとバットパワーは弱いですが、大型が掛からなければ問題ないと思います。
ただし、根の荒い場所などでの使用はパワーが足りず根に潜られる可能性があります。
磯場などでなく湾内や堤防近くを想定しています。
そういったポイントでの使用経験はないので気をつけて下さい。
ライトゲーム

使用するのは68Lのティップになります。
キャスティングは想定されていないティップですが、ジグ単としては1gから自己責任であれば8g程度でもいけます。
ただしフルキャストはやめましょう。
遠投で狙うなら70MLつけるのも有りです。
SMTのおかげで操作が穂先で分かりやすいことや違和感を与えず食わせることができます。
尺狙いの硬めのロッドなんかは張りが強く軽い重量の物は動きが伝わってこないんですよね。
ライトゲームロッドに比べパワーがありますが、SMTのおかげで弾かれずに食わせやすいかなと感じました。
注意点は、バットパワーが強いのでよほどの大物でもない限り曲げて楽しむ釣りはできません。
シーバスなんかだと20超えたくらいでも引いてくるのでそれなりに楽しめましたが…。
他の釣りをしててアジやメバルがいたからお土産で狙ってみるのがメインの使い方になるのかな?と思います。
まとめ
私としては上記釣りで使用できる専用ロッドがある為正直72M-SMT買っとけばよかったかな?というのが本音です。
ティップランから始める人が他の釣りにも興味を持つ為の1本目と考えると悪くはないと思います。
この記事が少しでも参考になればうれしく思います。

